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「女装と男装」の文化史

「女装と男装」の文化史 (講談社選書メチエ)「女装と男装」の文化史 (講談社選書メチエ)
(2009/10/09)
佐伯 順子

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古今東西の文学から演劇、映画、漫画まで、「異性装」を主軸とする物語を取り上げ、彼ら彼女らの女装・男装がいかなる目的で行われ、いかなる苦悩、喜びをもたらしたか、そして最後はどういう結末を迎えたか、というものを一つ一つの作品について読み解いていくもの。身体の性sexと男らしさ女らしさというような社会的な性genderを、異性装をする主人公らのそれぞれの場面において確認し、それによって描かれているもの、根底にあるものなどを伺い知るのはなかなか面白い。前半は男の女装、後半は女の男装、最後にその両方が並行して描かれる物語について、という構成。

とりもなおさず、キレーな顔した男の子がする女装、凛々しい女の子がする男装ってモチーフは昔から本当に人気なんだな~と思った。あとは「女装」の目的または付随効果として「男→男の恋愛(女装すれば外見上は男女の恋愛)」って要素がままあるのに対して、「男装」には「女→女の恋愛」という要素がほぼ皆無というのが、言われてみればという感じで面白かったな。そもそも男装の目的が「意中の彼に近づきたい」だという物語もあったし。性的志向が同性に向かう人口が今と昔で異なっていたとはあまり考えられないから、「男色」という言葉に対して「女色」という言葉がないように、社会的に認められていたか否かの違いなのかもね。
あとはまあ、男装のヒロインの「ハッピーエンド」がほぼ間違いなく「異性との恋愛の成就」「幸せな結婚」で終わっている点が、やっぱりねえ…と思いつつも苦笑してしまう。別に男装という要素がなくたって、女主人公の物語というのは「王子様と幸せに暮らしました」で終わるのが多いしね。果たしてそれは女性の持って生まれたサガなのかそれともそうした数々の物語による刷り込みなのか。難しいところだ。自分もそういう結末の物語に幸せを感じもするし。ただ、「結婚して幸せになりました」という結末に幸せを感じる男性がいないとは思えないな。「安定」に幸せを感じるのは男女共通じゃないかなあ。
古典的物語の画一的なハッピーエンドの一方で、現代になればなるほど同じ「結婚」が「幸せ」とはならないものも。タリバーン政権崩壊後のアフガニスタンで初めて作られた映画『オサマ』(邦題『アフガン零年』)は、バレたら殺されるかもしれない命がけの「男装」、そしてバレた後、助命の代わりに課された刑罰としての「結婚」に、あらすじだけでもたまらない気分になった。そういえば、女装がわりと笑いを含んだ明るい要素が多いのに対し、男装は悲壮な決意や状況に強いられてというパターンが多いというのもあったな~。それも女性のgenderが「受身」とされがちなせいかね?

漫画では、王道と思われる『リボンの騎士』『ベルサイユのばら』に加えて『風光る』や『花ざかりの君たちへ』も取り上げられてました
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