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『フェルマーの最終定理』

海外出張決まったっつーのに、逃避のようにゲームやってます。一方で読書ブームもまだ去っておらず、行き帰りの電車で読み続けております。えいご漬けやらずに。これも逃避かしらね

で、昨日読み終わったのがサイモン・シン著『フェルマーの最終定理』。
なんでそんなもの読んでんの?と聞かれそうだよなあ。まるっきり文系人間のくせに。高校卒業以来、数学といえば金勘定とあとはまあ仕事の達成率くらいにしか使っておりません。数学っつーか算数レベルだな。だって嫌いだもん、計算とか数学とか。
でもね、この本は数学界を舞台にしたドキュメンタリーだから。しかも素晴らしくドラマティックな。
17世紀、1人のフランス人数学者(でも本業は役人。裁判官とか)フェルマー氏が、数学の大著『算術』を読みながら、その余白に様々なことを書き込んだ。その一つが「フェルマーの最終定理」と呼ばれる方程式で、その横にはこんなメモがあった。

「私はこの命題の真に驚くべき証明を持っているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」

今日、一緒に帰っていた同僚は「紙を足せよ」とつっこんだ(笑)なんつー底意地の悪いメモだ。この一言に、私には到底理解できないような素晴らしい頭脳の持ち主達が300年間も悩み続けることになったのだから。

この本の一番の盛り上がりはやはりラスト、アンドリュー・ワイルズがついに「フェルマーの最終定理」を証明してみせるところなのでしょうが、個人的には全編に渡って本当にドラマティックで面白かったと思う。フェルマーの最終定理を語ることは、そのまま数学の誕生から現在までを説明することになるみたいなのよね。著者が序文からそう言ってたけど。定理が生まれるまでの歴史。そして生まれてからの歴史。何故ならワイルズの証明には、ギリシャの過去から最新のものまで、数学の集大成とも言えるあらゆるテクニックが使われているから。
数学なんて嫌いだから数学史なんてもちろんほとんど知らないし、だからここに書いてあることのほとんどが目新しくて面白かったというのもあるかもしれない。でも数学的思考ってなかなか面白いなあと思ったよ。
定理とか証明とか、数学って本当に何から何まで厳密に矛盾なく整然としているものというイメージがあったけど、「数は無矛盾ではありえないということが証明された」という話はびっくりでした。他にも化学者と物理学者と数学者の物の考え方の違いの例え話とか面白かった。
ある意味、この本は群像劇なのだと思う。前半は数学あるいは数論というものを作り上げてきた人々の物語。後半はフェルマーと、彼に翻弄された人々の物語。人の歴史はなんであれドラマティックだと思う。でもこの本では、数学者達の人生だけでなく、彼らが考え出した理論や定理が生まれるまでのプロセスもドラマティックだ。だから息つく暇なく面白かったのだろうなあと思います。

約500ページのなかなかの大著なので、電車の中だけで読み切るには一週間以上かかったよ。781円でこれだけ楽しませてもらったのだから満足だわ。
ワイルズがフェルマーの最終定理を証明したのは1993年。「世紀の謎」「数学界最大の超難問」が解かれてもう15年も経過している。ワイルズ自身も言っていたけど、「謎が失われてしまった」喪失感というのは、例え自分が証明したんじゃない、証明を見てもさっぱり分からないようなものであっても、結構大きく感じるものだね。
とても皮肉だけれど、「謎は謎のままのほうがいい」というのも間違いなく真理なんでしょう。
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わー、そんな本あるんだ。面白そう。
スキを見つけたら読んでみたい。

「ヒマ」じゃなくて「スキ」なのかi-230
理系好きなあなたにはお勧めかもしれない。
会う機会があれば貸すよ。
そうそう読み返すこともないだろうし。
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